Category Archives: 読書コーナー

モダンガール論

斉藤美奈子著 2003 文春文庫
 この100年のおんなたちの歴史を斉藤美奈子的に論説した本。私は彼女の、本音を意識したものの見方をおもしろいと思うのだが、それを「欲望史観」というらしい。
 

孤高を恐れず 石橋湛山の志

佐高 信著 1994 講談社文庫
 冒頭で田中秀征さんがリベラリストは太陽政策だと言った話とニューライトの6つの条件(①経済成長を国力の増大ではなく、国民福祉、国民生活の向上という視点から見る②マイホーム主義の積極的評価③安易に警察力や防衛力に頼らない④反共イデオロギー反対⑤全体主義的発想を毛嫌いする⑤制度の変革、発想の転換に努力)をあげた話にいまどきの保守勢力の多くがこれならいいのにと思ったのだが・・・。
 NHKの従軍慰安婦報道への安倍氏、中川氏の介入問題の行方が気になる。

<対話の場>の創造へ ハンセン病・朝鮮そしてわたしたち

「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟を支援する市民の会 発行
 あまりにも悲惨な体験が綴られていて、言葉もない。
 日本のハンセン病隔離政策とその法的根拠となった「らい予防法」が憲法違反であるという熊本地裁の判決が確定したのが2001年。国内では、補償法も制定され、被害者の人権擁護が語られている。が、韓国・台湾に日本の植民地時代につくられたハンセン病療養所の入所者は放置されたまま・・・・。
 韓国のハンセン病療養所小鹿島(ソロクト)療養所入所者の、補償を求める訴えを厚生労働省は拒否。現在東京地裁で裁判が行われている。
 一刻も早く、国内だけでなく、韓国・台湾の被害者の救済を行うべきである。植民地支配の責任は果たすべきだろうに。
小鹿島更生園・台湾楽生院補償請求弁護団ホームページhttp://www15.ocn.ne.jp/~srkt/
ハンセン病訴訟に取り組む菜の花法律事務所ホームページ
http://www5b.biglobe.ne.jp/~naoko-k/index.html

物は言いよう

斉藤美奈子著 平凡社
 公の場での性や性別についての好ましくない言動の基準をFC(ファミコード)として提案。社会人としてのマナーを身につけるために、大勢の人に是非読んでもらいたい。いわゆるジェンダーバッシングのほか、女と男をめぐる諸問題について「ホント、そうだよね」と同感できる。きっと斉藤美奈子さんも文壇で苦労しているのだろうと思ってしまった。

男の見方 女の見方

養老孟司 長谷川眞理子共著 PHP文庫
 医学博士と理学博士のリレーエッセイ。生物学者である長谷川眞理子さんは「多くの性差には生物学的基盤があるだろうと思っています。しかし、・・・・・それはたいして大騒ぎすることではないと思うのです」という。人種差別では差別する側の人間が「それは差別ではない」ということは許されないのに、性差別の場合はいまだに、それが通用するという指摘に納得。

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