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認知症の人のためのケアマネジメント

認知症の人のためのケアマネジメント~センター方式の使い方・活かし方
認知症介護研究・研修東京センター 発行
 
 話題のセンター方式の解説書。認知症の人の感情や行動を理解するために、ワークシートに必要事項を記入し、、関わる人が情報を共有して、その人にあった支援を行おうという方式である。お年寄りの人生を分析するのだから、大変な作業だが、ひとりひとりの好きなこと嫌いなことをふまえた上でのその人の気持ちに寄り添う支援が必要なのだ。
 今回の選挙で私は「ひとりひとりが輝く温かい街づくり」をめざすと位置付けた。認知症の支援で重要なのは「ひとりひとりが輝く」生活を保障するということだと思う。母の人生を振り返り、「ウキウキする」ことは何なのかを探っている。
 こどもや若者も同じだと思う。人によって輝くことは違うから、それを見つけることが大切。

人間の往生

 ~看取りの医師が考える
大井玄著 新潮新書
 荒川区は幸福度の指標の研究に取り組んでいて、第一に挙げられるのが「健康」。医師である著者は患者の意識調査から次のように言う。
 健康を失っても、人間関係という他者とのつながりが保たれているならば、さらにいうと他者の「ために」なっているならば、人は満足していられる。ささやかであってもしあわせでいられる。
 ・・・私たちは、自分の紡いだ「意味の世界」に住んでいる。老化・死の過程にある人は、長年生活してきた場所において、もっとも落ち着く「意味の世界」を築いていることは、在宅での看取りにたずさわっている者には明らかです。・・・
 そう、落ち着く・安心する=不安を減らすことが、しあわせなのだと私も思う。 

いのちをもてなす

大井玄著 みすず書房
 「痴呆は病気か、老いのあらわれか」と問題が提起されている。「東アジアや沖縄のお年寄りが尊敬されゆったりとした時の流れる農村では、私から見てあきらかに重度痴呆と思われる方が、「痴呆」という名も付かないままに静かに暮らしておられます。不安な心が向けられた時、痴呆も現れてくるのでした」と著者は言う。
 ”人々が認知症に心を向けると認知症が増える”という指摘には納得である。世の中もっとのんびりしていたら、認知症患者は減るだろうと思う。
 認知症の母の様子を見て、自分も始まっている老化現象の延長だなと思う。脳リハビリも効果があるのだろうが、ゆっくりした時間と尊敬の心が認知症には一番だと思う。

脳神経外科医のボケない脳のつくり方

金子満雄著 海竜社
 事例満載でとても参考になる。核家族、家族崩壊の今、地域での取り組みが必要だと考えさせられる。早期認知症の段階から手当をしよう。
 練馬の辻先生に母の診断をお願いした。脳リハビリは本人が楽しんでいることが大切という先生の言葉。私もそう思っていたので、安心して母の脳リハビリを続けよう。
 東京に来てすぐの時は、奈良の住所も「わからない」と言っていた母だが、今では言える。一人暮らしの不安から解放された安心感は大きいようだ。着替えがうまくいかない以外は困ることはない。母が磨いてくれるので我が家のお鍋はピカピカになったし、私が料理をしていると「何か私にできることはある?」と言ってくれるようになった。
 
 これからは、何事にも控え目な母を「人生楽しもうよ!」とそそのかすのが私の役目だと思う。
 

認知症になる僕たちへ

 和田行男 著  中央法規
  「介護のプロ」の仕事とは、ばあさんのこころ模様を読みとることから始まるのだろう。認知症の母とどう付き合うかと考える上で、和田さんの本は、多くの示唆を与えてくれる。それは、自分がどう生きるかを考えることでもある。
 

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