いのちをもてなす

大井玄著 みすず書房
 「痴呆は病気か、老いのあらわれか」と問題が提起されている。「東アジアや沖縄のお年寄りが尊敬されゆったりとした時の流れる農村では、私から見てあきらかに重度痴呆と思われる方が、「痴呆」という名も付かないままに静かに暮らしておられます。不安な心が向けられた時、痴呆も現れてくるのでした」と著者は言う。
 ”人々が認知症に心を向けると認知症が増える”という指摘には納得である。世の中もっとのんびりしていたら、認知症患者は減るだろうと思う。
 認知症の母の様子を見て、自分も始まっている老化現象の延長だなと思う。脳リハビリも効果があるのだろうが、ゆっくりした時間と尊敬の心が認知症には一番だと思う。

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