(第3回定例会最終日;10月13日)
私は、新星クラブとして認定第1号 2005年度荒川区一般会計歳入歳出決算について賛成の立場で討論を行います。
区財政の健全度を示す、経常収支比率が75.9%となり、適正水準の範囲内に改善されたとのことですから、まず、行政改革の努力を評価したいと思います。
しかし、小泉首相のもと、国の財政赤字は増え続けました。アメリカが強く求めたといわれる郵政民営化が、どのような影響を及ぼすか、予断を許しません。誕生した安倍首相の下、中国・韓国との関係改善が模索されています。「テロとの戦い」を掲げて、世界に軍事力を誇示するアメリカの世界戦略が逆にテロを誘発し、世界平和を脅かしている状況に変わりはありません。さきほど、荒川区議会として、北朝鮮の核実験に抗議する決議を上げましたが、この、北朝鮮の核武装も、アメリカの核戦略により引き出されたものであります。荒川区議会としても、北朝鮮のみでなく、すべての核実験に反対する立場にたった決議であることを確認したいと思います。今後、あらゆる国の核実験に反対し、核計画の放棄を求める取り組みを実践すべきであると考えます。
さて、2005年予算は、西川区長のもと、区長・助役の収賄事件からの出直しをさらに進める年でした。
区長・助役による収賄事件を受けて、新星クラブでは、次の9項目の再発防止策を提起しました。1、職員が「業者との癒着は絶対ない」と胸を張れる倫理観とあやしまれる行動をとらない潔癖さを日常的にチェックする体制をつくる
2、トップダウンで全て決まるのではなく,職員の発意を生かす仕組みをつくる
3、上司や議員等からの口利きを文書化し、情報公開する
4、内部告発・公益通報制度の確立
5、施策の決定過程の文書化を義務付ける
6、入札制度の透明性を確保する
7、技術や社会貢献度、環境配慮、障害者雇用、男女共同参画、公正な労働条件などの政策を入札の考慮基準とする、
8、入札監視委員会(弁護士・税理士・学者・区民等による第三者機関)をつくる
9、企業の側の、法令遵守経営方針の確立を入札の条件とする
これらすべてが実現したとはいえませんが、おおむね実現の方向に向かっていると評価しています。その視点からも、不正防止委員会の設置、公務員倫理研修、ビジネスカレッジなど、荒川区役所の体質改善に取り組む新規事業を評価します。しかし、決算委員会で各会派から意見がだされたように、安ければいいという競争入札や指定管理者指名が行われ、労働者の労働条件が切り捨てられている事態への対応策を早急に取り組むことを要望します。障がい者雇用や環境など、区の政策を入札の考慮基準とする「総合評価入札制度」の検討に入ると答弁がありました。区関連施設で働く人たちの労働条件に配慮する、入札制度や指定管理者指定の制度の構築であることを期待します。
区の非常勤職員の労働条件についても、改善を検討中と表明がありました。行政改革の名の下、職員数を減らした結果、非常勤職員や民間委託で公共サービスを提供し、不安定・低賃金労働者を生み出してきました。非常勤職員の不安定、低賃金の労働条件で、10年も20年も継続して勤務している方も多いようです。決算委員会で、区長が「同一価値労働同一賃金」と示唆されました。地方自治体こそ、法を守り、さらに労働者の生活賃金を保障するという立場に立たなければならないと思います。誰もが認める格差社会となった日本で、セーフテーネットの構築こそが急務になっています。若い人が子どもを産まない少子化が問題になっていますが、将来を展望できない不安定・低賃金雇用の社会では安心して子どもが産めないのはあたりまえです。荒川区の取り組みに期待したいと思います。
また、区政改革懇談会やこれからの図書館調査懇談会の設置など、公募区民との協働を始めたことを評価します。さらに発展継続させ、幅広い区民の区政への参画を促すよう要望します。行政評価システムの導入を評価し、さらに、自己評価にくわえ、すべての事業で区民からの評価を受けるシステムづくりに努力して欲しいと思います。なぜなら、健全財政とはいえ、収入役が「荒川区は人口規模でいえば500億の財政規模」と発言があったように、どんな区民サービスが真に必要なのか、民間でできることは何なのかをさらに、区民とともに考える必要があるからです。さらに、情報公開と区民の参画に積極的に取り組むことを要望します。また、有効であると評価の高い、専門家による外部監査制度の拡大充実を要望します。
産業政策の分野では、あらかわ経営塾、近隣区との連携、荒川版クラスター形成への模索を評価します。産業育成は、やる気のある人材と地域ネットワーク、そして継続性が必要だと思
います。
子育て・教育の分野では、子育て交流サロンや一時保育、学童クラブや保育園の拡大を評価し、さらなる充実を要望します。学校の図書館指導員の配置は、こどもたちの読書活動に効果的と考えますので、全校配置をお願いします。また、ティーチング・アシスタントの増員、障がい児のいるクラスや荒れているクラスへの配置を要望します。
高齢者・障がい者そして健康に関する分野では、区の積極的な取り組みを評価します。おたっしゃランチ、ころばん体操・セラバン体操などの取り組みの更なる拡大を要望します。ただ、区が介護保険の費用抑制に熱心なあまり、ケアマネージャーのケアプランに厳しい注文をつけてくると苦情が出ています。必要な人には必要な介護サービスを利用者本位で提供するのが、介護保険のはずです。利用者へのていねいな説明と介護予防、重度化予防に取り組む人材育成に努めていただきたいと思います。禁煙への取り組みについては、大人だけではなく、子どもの禁煙教育取り組んで、効果を挙げるよう要望します。
街づくりの分野では、木造住宅耐震補強推進事業の開始を評価します。決算委員会でも指摘しましたが、木造密集地をかかえる荒川区の災害対策として、さらに、有効な実施方法を検討して欲しいと思います。
阪神・淡路大震災の犠牲者の男女比が偏っているそうです。女性の被害者が1000人多かったのです。高齢女性の所得が低く、古い木造住宅に住んでいた人が多かったためといわれています。荒川区でも同じように、古い木造住宅に住んでいる高齢女性が多いのではないでしょうか。個人の財産に税金を投入することはできないと都市整備部長はおっしゃいましたが、低所得者の命を守るための対策として、検討する必要があるのではないかと思います。
環境の分野では、23区で一番緑が少ない荒川区でも、少しでも緑化を進め、うるおいのある、歩きたくなる街をめざしてほしいと思います。
最後に、新星クラブの締めくくり総括質疑で取り上げた、廃プラスチック焼却への方針転換について再度指摘しておきます。焼却は最後の手段です。容器リサイクル法にもとづく分別を徹底し、さらに資源となりうるプラスチックの回収を行ったうえでの、廃プラスチックのサーマルリサイクルであるならば、しかたないかもしれません。でも、今の段階での廃プラスチックの焼却は、リサイクル産業を地場産業にもち、環境先進都市をめざす荒川区の方針とは相容れません。今日の日経産業新聞にも、廃プラスチックを再着色したリサイクル樹脂の事業化や、燃料生産プラントについて、新技術の開発が報道されています。プラスチックを資源として回収し、再生利用する産業が、荒川区の活性化に結びつく可能性があります。環境問題に熱心に取り組んでいるはずの区長の今後の采配に注目したいと思います。
以上で、新星クラブの賛成討論を終わります。
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