3年ぶりの荒川区青少年問題協議会

 今年度、初めて荒川区青少年問題協議会の委員となり、初めての会合に参加した。冒頭、区長の説明によると、3年ぶりの開催だとのこと。問題の重要性にかんがみ、今後は適宜開催したいとおっしゃっていたが、3年ぶりとは驚いた。
 ふつう、区議会議員は2つの審議会を担当する。いままで、経験した審議会は一年間で2回程度開催されていた。年に一度も開催されない審議会があることに驚いた。
 青少年協議会の内容は、高校生と大学生の息子を持つ親として、非常に考えさせられる内容だった。
 まず、警察から非行少年の補導状況について報告があった。いわゆる、暴力や窃盗犯罪は激減している。増えているのは、放置自転車の窃盗。
 深夜徘徊(11時から明け方5時に外出=集団でたむろしている)していて補導されるケースが非常に多い。
 友達といたい、家に帰りたくないなどの理由で、コンビニストア前などでたむろしている中高生が補導されているようだ。
 竹台高校の校長が、家庭の教育力の低下を指摘されていた。まさにそのとおりだと思う。
では、地域で何ができるか、が問われているのである。
 次に、千石保さん(日本青少年研究所理事長、荒川区教育委員)の講演。
千石先生は30分という短い時間で次のことをお話された。
1、犯罪は昭和38年をピークにどんどん減っている
2、青少年がたむろするのは、人生の目標がはっきりしないからである
3、大切なものは何かという質問に
    日本  友人
    中国  学歴
    米国  チャレンジ
    韓国  お金と自由
  とおおむね回答が多い。日本で友人と答えるのは、目指すものが無いということでもある
4、日本の家庭は過渡期にある
    中国の母親は子どもの成功は自分の成功と考える。日本も以前はそうだったが、現在の40代50代の母親は自分の生きがいを大切に考える。価値観の大きな転換期である
5、日本の青少年は友人関係が希薄だ
    たむろするのは問題ではない。大きな問題は、自己開示しないことだ。米国の青少年は、家庭のもめごとも友人に話すが、日本では、家庭とお金のことはタブーである。自己開示すると相手がひいてしまう。友人と一緒がいきがいなのに、関係が希薄である
6、出世したくないという若者が増えている
   偉くなると批判されるから、自分の時間がなくなるからと、管理職試験を受ける人が減っている
7、荒川区でのおせっかいおじさん・あばさん運動を展開中だが、地域で声をかけることは大切だ 
 竹台高校校長の、自己開示できない根底には自己肯定感・自尊心の無さがあるのでは、という問に、千石先生は、豊かな社会で育っているという環境を指摘された。
 貴重な示唆をいただいたと思う。
 その後、東京都青少年問題協議会の答申の報告があり、少年院をでたあとの少年の受け皿の増設に関して、家庭裁判所調査官から、「帰る家庭がない少年のケースは、どこの地域にもおこりうる身近な問題と認識して欲しい」との発言があった。
 私は、先日新聞やテレビで報道された、区内の16歳と14歳の少女達が、ファミリーレストランで騒いで立ち入り禁止になったあげく、マンションロビーに忍び込んで、高価なじゅうたんを盗んだ事件を考えると、「騒いだ」彼女達の「居場所が無い」という悲鳴を地域でキャッチして支援する方策が考えられないだろうかと問題提起させていただいた。
 いじめや非行で悪さをする子供達は、「誰かにかまってほしい」から問題行動を起している。愛されて育った子どもは、自立することができるから、非行には走らない。
 自分の行動を自分で決める習慣を身につけた子どもは、自分の人生に責任を持つことができる。幼いうちから、自分のことは自分で決める習慣を付けさせることが大切だ。
 家庭の教育力が落ちた今、地域でできることをするしかないと、切実に思った時間であった。
 千石先生は著書「日本の女子中高生」NHKブックスでも、人間関係の希薄さを指摘されていた。校長先生がおっしゃるように、自己肯定ができないから自分を表現することができないのではないか。人目を気にして、人と同じでないと不安な子供達が育っている。失敗を恐れるあまり、経験を積んで、自立することができないでいる。個性重視といいながら「みんな違ってみんないい」という教育にはなっていない日本の現状が問題だと思う。
  

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