ふれあい館の運営の評価を

(04年第4回定例議会)
 ふれあい館の運営の民間委託(指定管理者制度という)が続いている。民間のノウハウを生かすのはいいことだが、どのような運営なのか、業務評価をきちんと行い、情報公開することが重要と意見を述べて、ふれあい館条例の改正(汐入ふれあい館・東日暮里ふれあい館を追加)に賛成した。
 この、ふれあい館の業務評価には、区民の意見が反映されなければならない。是非、皆さんの声をお寄せいただきたい。


荒川区ふれあい館条例の一部を改正する条例に賛成
私は、議案45号 荒川区ふれあい館条例の一部を改正する条例に賛成の立場で討論を行います。
 区民の憩いの場、多世代間の交流の場として区内19のふれあい館の整備が始まりました。それぞれに、指定管理者制度のもとで、様々な事業者が、ふれあい館の管理運営を行うことになります。業者選定にあたって、創意工夫をこらした企画書が提出され、安定した運営を行える事業者が選定されることを期待しています。今議会で、事業者選定経過についての資料が、前回の議会資料よりも格段に、情報公開されたことを評価したいと思いますし、さらに、情報公開を徹底するよう、期待しています。
 今後は、その業務の評価にしっかりと取り組んでいただき、情報公開していただきたいと思います。つい先日、西尾久ふれあい館を利用されているかたから、次のようなご意見をいただきました。
開館当初は飾りもほとんどなく殺風景。これが児童館?と言う感じでした。今はすこしはよくなりました。飾り付けにも技術や経験がモノをいいます。
そのほか、細かいことのようですが、オープンしたというのに児童書は紐で束ねられた状態のまま、部屋の隅に置かれた長テーブルの下に積み上げられていたことが疑問でした。
さらに、工作のグレードがガックリと落ちました。
発泡スチロールで作られたタイル状のものに絵を描いただけ、とか、カットした紙をこより状にしただけのぺらコプターと言われるもの、とか、工作と呼んでよいのかどうかもわからないものを、しかも1週間続けている状況です。
以前のひろば館では、2~3日ごとに違う工作をさせてもらえたのですが。
せっかく立派な工作室が出来たのに、もったいない話ですが、材料費がかからないことは確かです。
またかつては月に一度「わくわく工房」という名で、2~3時間をかけてじっくり一つのものを作る工作シリーズがあり、あっという間に定員がいっぱいになってしまうほど人気でした。手編みの帽子を作ったり、マスコット人形を作ったりして、親も驚くほどの作品ができました。
尾久地区の児童館の文化祭に展示していただき、子どもたちも大喜びでした。
「わくわく工房」は現在でも続けるそうですが、月に一度ではなく週に一度で、だれでも参加が出来るそうです。そのかわり、内容はがっかりするほど簡単になっています。
工作のグレードが著しく下がったことは本当に残念です。
少ない予算の中、いつも素晴らしいアイディアで、子どもたちの創作意欲をみたそうと工夫なさっていたひろば館の先生方が懐かしくてなりません。
それに「遊びの時間」。旧ひろば館では3~4日ごとにいろいろな集団遊びやパズルゲームなどを企画して、飽きの来ないように工夫がされていましたが、現ふれあい館では一ヶ月を通して毎日同じメニューです。(ドッジボール、バドミントン、卓球の3種類のみ)
また、旧ひろば館では、土曜日に「手打ちうどんを作ろう」とか、「博物館に遠足に行こう」とか、普段と違った内容の企画がありました。
クリスマス会や夏の縁日、デイキャンプ、盛りだくさんでした。大きな企画の前には「こども会議」なるものを設けて、子どもたちが自分たちで話し合い、計画を立てるところから指導していただきました。こどもたちは先生の指導のもと準備を重ね、当日遊びに来てくれた親や子どもたちを接待するのです。今の子どもたちは「サービスを受ける」機会は多くても、「サービスする」機会は少ないように思います。人を喜んでもらおうと、準備をすることの楽しさを味わってもらう良い機会だったと思います。
そのようなことを、今のふれあい館でもぜひ続けていってもらいたいものです。これまでいかに密度の濃い時間を過ごさせていただいていたか・・・。
西尾久ふれあい館の先生方も、それなりにがんばってくださっていることと思います。良い場所にしてたくさんの子達に来てほしいと言ってくださる方も中にはいらっしゃいます。
でも、どうしていいか、ノウハウがわからないように見えます。
経験を蓄積している間に私たちの子どもはどんどん大きくなってしまいます。
早急に他のひろば館ではどのようにしているのか 勉強してきていただきたいです。
以上が寄せられたご意見です。改めて、児童館事業が子育て支援の場として、区民の高い評価を得ていたことを知りました。少子化対策の充実が求められている折、子育て支援サービスの質の低下は許されることではありません。経費節減というだけでなく、民間の創意工夫で区民サービスの向上のためにもなるということで、指定管理者制度が導入されたはずです。区がその業務を適正に評価し、サービスのレベルをさらに上げるように支援することが必要です。民間になって、レベルが落ちたと言われることがあってはならないはずです。早急に、調査をして欲しいと思います。
そして、業務評価の方法論を早急に確立していただきたい。多岐にわたる利用者の声をどのように把握していくのか明らかにし、疑問の声にきちんと対応するように要望して、賛成討論といたします。

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