日本女性の自殺率

 民主党男女共同参画委員会のヒヤリングに参加した。3月にニューヨークで開催された第49回国連女性の地位委員会閣僚級会合(北京+10会議)について竹信三恵子さん(朝日新聞)と大沢真理さん(東京大学教授)が報告した。
 衝撃だったのは、日本女性の自殺率がおそらく世界一高いだろうという大沢さんの話。WHOの統計では、世界で日本の自殺率は10番目に高い。女性では、数字の上ではスリランカ・中国についで3位だが、統計が古かったり、一部だったりするので、おそらく、日本女性の自殺率は世界一ではないかというのである。高齢になるほど、自殺者が増えるという。中年男性の自殺も多いが、日本は、安心して生きることができない国なのだ。
 竹信さんから、ニューヨークの会議の報告があった。アメリカの中絶を認めない動きは他の国からは総スカンだったようだ。北京綱領の再確認がおこなわれたものの、どれだけ効果的な取り組みがされているかが課題とされた。日本の、女性の収入・政治参画など、差別実態が改善していないことが問題となった。
 大沢さんからは、ブッシュ政権の軍事増強・財政赤字・経済収支赤字をごまかす戦略として「癒しとしての宗教や家族の強調・フェミニズムへの憎悪」が煽られていると分析があった。アメリカの保守回帰の世界戦略は、日本のいわゆるバックラッシュと軌を一にしていて、まさに、世界経済問題である。


 竹信さん、大沢さんの報告は、非常にわかりやすく、理路整然としていて、元気をもらった。日本の、あまりにも遅々とした男女平等への流れを少しでも進めるには、女たちを一つにする何らかの組織をつくることが必要ではないかと竹信さんはおっしゃっていた。
 何と生きにくい国なのだろうと愚痴りながら、前進するしかない。 

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