Category Archives: 読書コーナー

認知症開花支援

 和田行男著 中央法規
 荒川でもおなじみの、和田さんの本。
 『「私は生きててもいいんや」とか「ここなら、この人たちと一緒なら生きていたい」とか「そこまでしてくれるんや」といったように、どんな状態になっても、どんな状況に陥っても、人として生きることを応援してくる外の因子に触れた時に「生きる力」が湧き出てくるのではないかということと、逆に「私なんか生きていたってしようがない」とか「ここは、この人たちは嫌」とか「そんなことをされるのか」といったように、人として生きることを諦めさせる外の因子に触れた時に「生きる力」は涸れ果てるのではないかということである』
 生きる気力がなくなると、どんどん重度化がすすむと聞いてきた。やる気を出してもらうにはどうすればいいのだろうと思っていた。その答えをもらった気がする。
 介護のプロとして、介護とは何か、「生きる」とは何かを問い続ける和田さんの言葉はとてもとても重い。「長生きしたい」と思ってもらえる支援が求められている。歴史の中で自らの身を削って今の日本の豊かさを築いてくれた世代に恩返しするのが私たちの責任であろう。
 尼崎市長に稲村和美さんが当選。二人続けての女性市長。5歳のママ。喜ばしいことだが、投票率がなんと、29、35%。こんなことでいいのか!!

ボケない!生き方

 ~3万人の痴呆診療からの実証
金子満雄著  海竜社
 多くの著作がある金子先生だが、この本は、認知症が治った具体例が書かれているので、非常に参考になる。右脳を刺激する、その人にあった脳リハビリが効果的らしい。うちの母にさっそくトランプ「カシーノ」も勧めてみよう。
 40・50代にも自分に合った、人生の楽しみを見つけておきなさいと説く。
 母は我慢・ひかえめが美徳とされた時代を、さらにもったいないの精神で生き抜いてきた世代である。人生を楽しむなどどいう感覚を持ってはいない。東京に来て、何がしたい?と何回も問うたら、「歌舞伎がみたい」。行きたいところは?「皇居」。というわけで、さっそく、国立劇場のチケットを取ってもらって「何十年ぶりやろ~」と観劇し、皇居のお堀を眺めてきた。
 毎朝、前の日に何をしたかを思い出しながら弟にはがきを書き、郵便ポストに出しに行く。道すがら、路地の紅葉や花々を楽しむ。和菓子を買って帰って、お薄を立て、「ほんま、おいしいなあ」というのが日課である。
 母は小学校の時、家族麻雀をしていたという。健康マージャンのリーダーさんに、個別指導に来てもらうことになった。そのうち、健康マージャン教室に出かけたりできるだろうか。
 先日、老健ひぐらしの里の歌声サロンに参加した時、母の表情が乏しいことに愕然とした。その時の隣の座席の95歳の方のように、楽しい表情で歌うようになるだろうか。
 ピアノのバイエル教本をみながら、ポツポツと弾いている後ろ姿に、これからどうなることかと心配ながら、まあ、「なっても安心、認知症」と思う。

そのぼけは治ります。

 米山公啓著 法研
 8年前の出版とはいえ、これ1冊読めば認知症のすべてがわかるという感じで、非常に分かりやすい。おすすめ。
 
 11月10日、母と同居を始めた。最初の混乱がだいたい落ち着いてきた。15日には区で紹介して入れた専門医(日暮里駅前のあべクリニック)を受診。
 日記代わりのはがきを弟あてに書く、はがきを出しに朝の散歩をする、ピアノの練習を日課にして「脳 リハビリ」に取り組んでいる。マージャンにも挑戦する予定。
 この本の著者も紹介している、金子満雄医師の提唱する「小ボケ中ボケなら、ほとんどの認知症は進行を止められ る」を実践してみたい。

子どもの貧困や非行について

子どもの貧困~子ども時代のしあわせ平等のために  
    浅井春夫 松本伊智朗 湯浅直美著    明石書店
 荒川区でも熱心に取り組んでいる子どもの貧困・社会的排除問題。いろいろ本がでているが、さまざまな取り組みを考える上で、この本は必修といえるのではないだろうか。、区政で取り組みが遅れている、中卒前後からの問題についても非常に参考になる。
犯罪は「この場所」で起こる   
    小宮信夫著  光文社新書
安全はこうして守る~現場で役立つ防犯の話    
    小宮信夫編著  ぎょうせい  
 暴力団排除のための生活安全条例の改正提案から、犯罪防止の本を何冊か読んだ。犯罪防止のために「少年非行のへ早期介入を」という提案に考えさせられること大である。

犯罪を考える本3冊

ふつうの家庭から生まれる犯罪者 碓井真史 
 厳しくしつけられた子どもが、親から見捨てられたと思った子どもが犯罪を起こした実例を引きながら、家族の心、犯罪の心理を解き明かす。問題のない家庭などないという原点からコミュニケーションの取り方を考えるしかないのだろう。
反社会的勢力と不当要求の根絶への挑戦と課題 日本弁護士会民事介入暴力対策委員会
 さまざまな手法での暴力団排除の取り組みが紹介されている。
「暴力団壊滅」論 ヤクザ排除社会の行方  猪野健治・宮崎学
 表社会と裏社会の問題をさまざまな観点から論考している。警察の天下りや金融マフィア問題もからんで、暴力団排除は難しい。
 先日の福祉区民委員会で、私は、「なぜ、人は暴力団に入るのか」と質問したが、副区長は「よくはわからないが、現に存在する暴力団を排除することが先決」というような答えだった。
この本には、「暴力団加入の動機」として、未成年では家出、成人では失業、そして社会的排除があげられている。やはり、教育と福祉の受け皿の不備をどうするかという課題が見える。

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