何年ぶりかで遊就館の見学会に参加した。前回行ったときは、特攻隊員の遺書を読んで、皇国教育を受けて「お国のため、天皇陛下のため」死んでいった若者の愚かさがかわいそうで、あまりにも皇国のお手本のような文面が哀れだったが、今回は、その、戦争賛美の記念館としての展示に大いに疑問を持った。
最初に、日本が欧米の植民地化の攻撃にさらされるなか、いかに富国強兵につとめたかからはじまり、日露戦争で強大な敵ロシアに打ち勝ち、アジア諸国に夢を与え、日清戦争では朝鮮の独立を支援し、北清事変で北京に入った日本軍はその秩序ある行動で北京市民に歓迎され、盧溝橋事件という小さな事件をもとに中国正規軍の攻撃を受けて日本軍は応戦し、ABCD包囲網のなか、日本は外交による解決を何度も試みたが功を奏さず、蒋介石を支援してすでに参戦状態にあったアメリカに対し真珠湾に奇襲攻撃をかけ、日本軍の慎重な作戦をもってしても形勢は悪化したが、日本軍人は果敢に戦い、敵を恐怖に落としこめた・・・・などどいう話が延々を続き、天皇の参拝など皇室との関係が強調されていた。
わたしの少ない知識をもってしても「こんなこと書いていいのかな?」と疑問をもつ説明文が多くあった。何よりも、徹頭徹尾の戦争賛美に、祭られた死者達の大量の写真を目にして、気分が悪くなった。天皇のために命をささげた人を神としてまつるので、吉田松陰の似顔絵が写真にまじっていた。
軍神として祭られている人たちの遺族には、合祀を肯定する人もいるが、それを悲しみ拒否する人たちがいる。私達には信仰の自由が保障されている。国が信仰を統制してはならない。総理大臣は靖国神社を参拝してはならない。
日本人だけでなく、植民地から動員され戦死した人達の遺族も合祀に反対している。大阪地裁は2004年5月13日、台湾人遺族らの損害賠償請求を棄却する判決を下した。
日本が、戦争責任に真剣に取り組む国であって欲しいと思う「愛国者」の願いはいつかなえられるのだろう。